「僕らの街には夢がある」その後

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JFL昇格を決めた試合から1週間。
神崎山でおこなわれたファジアーノジュニアユースチームのセレクションに、選手と共に喜びを分かち合ったあの横断幕が掲げられた。
『僕らの街には夢がある』
子どもたちは、セレクションの準備をしながら、横断幕に書かれた言葉を呟いた。
「ぼくらのまちにはゆめがある……」
「ジュニアユースもファジアーノ。それを目指す岡山サッカーの少年たちを応援したい。憧れの選手と共に戦い、選手と共に喜びを味わった横断幕を、激励の意味で掲げさせてもらえないだろうか?」
熊谷から帰ってきて、チームスタッフにそう打診すると許可がおりた。
この話を聞いたある父兄からは感激され、あるコーチからは感謝の言葉をもらった。
セレクション開始前の挨拶で、コーチたちは子どもたちに横断幕の話をした。
この横断幕はトップチームの選手たちと共に戦った横断幕であること。
そして今日のセレクションに、ファジアーノのサポーターが応援にきている事などを。
その後、約40人の子どもたちが横断幕を背に、「夢」への第1歩を踏み出した。
子どもたちにとっての『俺たちの夢』。
その夢を叶えるために、彼らもボールを追いかける。
彼らは、少年ながらたぶんもう気づいているのだ。
「夢は自ら叶えていくもの」だということを。
この横断幕は、僕らの街の夢をいつまでも見守り続ける。
この街が存在する限り、いつまでもいつまでも……。
この街にJリーグのクラブが誕生することだけが、僕らの街の夢ではない。
自らの夢を叶えようとする子どもたちがいる限り、僕らの街の夢は終わらない。
そういう夢は子どもたちだけが持っているのではなく、僕のこころの中にもあるし、あなたのこころの中にもあるはずだ。
それぞれの人ごとに、それぞれのファジアーノはあるし、それぞれの夢もある。
「僕らの街には夢がある」
サポーターから伊藤選手に渡され、伊藤選手からサポーターの手に戻されたこの横断幕は、この街の未来に、夢を繋げる物語を見守っていく。

2007年12月12日 22:55 » ブログ