愛すべきファジアーノバカたち

ここに来るまで、ファジアーノの歴史には苦しいことやつらいことがたくさんありました。
でも、それと同時に、かけがえのない仲間もできました。
ここまで来れたのは、そういう大切な仲間との固い絆があったからです。
たかが4部リーグのクラブのために、遠く熊谷まで出掛けていくサポーターたち。
新幹線組や、夜行バス組、寝台特急組、自家用車での弾丸ツアー組。
一体何のためにそこまでしてクラブを応援するのだろう?
まったくこいつら、バカとしか言いようがない。
たかが4部リーグのクラブのために、声を枯らして応援するサポーターたち。
「声は枯れてるけど、喉は痛くないんよ。えへへ。」
すげえ、バカ。
抱擁と握手、祝福と感謝の言葉。
「涙で前が見えんわ」
ほんと、バカ。
名前も知らないサポ同士で、抱き合って喜んだ。
こいつ誰なんだろう?
よくわかんないけど、ファジのレプユニ来てるからきっとバカなんだろう。
「熊谷には行けないけど、特大の念を飛ばすから絶対勝ってくれ」と言う念組のやつら。
おまえらバカの想いは、現地組がしっかり胸に刻んで一瞬もゆるめることなく応援したから。
ふと見ると木村社長がサポたちと抱擁している。
この大会で初めてみたこの人の笑顔。笑いながら泣いている。
この人もバカだわ。
古いつきあいのサポーターの間では、「長かったなぁ」という言葉。
懐かしい昔話をして互いの健闘を称える。
本当にこいつら、みんなみんな愛すべきファジアーノバカたち。
「僕らの街には夢がある」というダンマク。
投げてよこせと伊藤がスタンドのサポに言う。
サポが投げると、伊藤がダンマクを身体に巻いて泣いていた。
このダンマクには、去年チームを去った選手からのメッセージが書かれている。
「こいつらと一緒に行きたいんです」と前の日に伊藤はサポに言った。
愛すべき素晴らしいファジアーノ戦士たち。
ファジアーノのホームゲームを支えたボランティアスタッフたちや、都合がつかなくて地域決勝に行けないサポーターたちからのメッセージもこのダンマクには書かれている。
みんなでつかんだ昇格。
誰かに連れて行ってもらったJFLじゃない。
あらゆる人の想いが成し遂げたJFL昇格。
すげえクラブです。
このファジアーノっていうのは。
握手や抱擁を通して、血の通う人間の温かさが伝わってくる。
サポーター同士やサポーターと選手、サポーターとフロントが互いに信頼しあえて、互いに尊敬しあえる、そんなクラブです。
第31回全国地域リーグ決勝大会。
ファジアーノ岡山FC優勝。
来期ファジアーノは、ユニフォームの右肩にJFLのマークをつけて戦います。

2007年12月2日 23:28 » ブログ