全国地域リーグ決勝大会というところ

私は昨年の全国地域リーグ決勝大会で、予選ラウンドの長崎と決勝ラウンドの大分に行きました。一昨年は、予選ラウンドの熊本にも行きました。そこで感じたことは、全国地域リーグ決勝大会というのは、地域リーグとはまったく別物の空気があるということです。
現在ファジアーノは、中国地域リーグを10連勝のぶっちぎりで、得失点も他のクラブを大きく引き離しています。
せっかくのイケイケムードに水を差すようで申し訳ないんですが、全国地域リーグ決勝大会というのは、現在のように快進撃を続けるファジアーノをもってしても、JFL昇格を果たせるかどうか確信を持つことなど出来ない場所なのです。
一昨年、ファジアーノは初めて全国地域リーグ決勝大会を経験しました。
予選ラウンドの会場は、当時ファジアーノと同じくJリーグ入りを目指していたロッソ熊本の本拠地、熊本で行われました。
初戦の相手はこのロッソ熊本。ロッソは当時、現在のファジアーノがそうであるように、地元スタジアムに何千人もの観客が詰めかけるようなクラブでした。つまり、ファジアーノにとっては、完全なアウェイ状態。さらにロッソは、元Jリーガーの選手を何人も擁し、ほとんどがプロ契約の選手たちでした。ファジアーノの方はまだ全員がアマチュアの選手たちばかり。
そんな中、キックオフ開始直後、ファジアーノが先制点を挙げました。ロッソは優勝候補の筆頭でしたから、そんなチームから先制点を挙げたことで、ファジアーノのサポーターたちも「これはもしかしたら行けるかも!」などと色めき立ったのです。
しかし結果は3−2でロッソ熊本の勝利。あと一歩のスコアでした。ファジアーノの選手たちは、アマチュアでありがなら強敵のロッソに一歩もひるむことなく戦ったのですが、地力の違いというものを見せつけられた結果になりました。そして、続くグルージャ盛岡戦にもファジアーノは1−0というスコアで惜敗し、惜しくもJFLを逃したのです。
昨年の大会では、優勝候補とされていたバンディオンセ神戸を5−3で破り、北海道の雄、ノルブリッツ北海道も3−0というスコアで完勝し、予選ラウンドを突破しました。決勝ラウンドでも、もうひとつの優勝候補、V・ファーレン長崎を3−1で破り、これらのスコアを見たサポーターたちは「今年こそ行ける!」と拳を強く握りしめました。
しかし、その後の試合でFC岐阜に2−0で敗れ、TDKにはPK戦で敗れ、またもJFL行きの切符を逃しました。
この時の大会は、得失点差を計算するような混戦となった大会でした。たらればの話になりますが、あと1点入っていれば、あと1点を防いでいれば、ファジアーノの歴史は大きく変わっていたかもしれません。
全国地域リーグ決勝大会という場所の恐ろしさはこういうところにあります。
中国リーグでは怒濤のスコアを記録しているファジアーノでも、全国地域リーグ決勝大会では本当の真剣勝負が待ち受けています。ひとつの試合に負ければもうおしまい、という大会なのです。たった1本のゴールが1年間のすべてを決めてしまいます。
来年笑ってJFLの舞台にいられるか、また中国リーグで一からやりなおすか、それがこの大会で決まってしまうのです。
それを決めるのは、サポーターたちの声、そしてオカヤマ全体のバックアップにかかっています。
「絶対負けられない戦い」を制するためには、オカヤマひとりひとりの力がどれだけ結集できるかなのです。

2007年6月16日 22:01 » ブログ