地域決勝で応援する人の心得

まずファジアーノには、たくさんの人の想いが詰まっているという事実を認識してください。
イメージしやすいように具体的に例を挙げます。
9200人以上の観客が桃スタに来たという事実があります。
また、100社以上のスポンサーもいます。
それらの会社には、社を上げて従業員みんなで応援している会社があったり、その従業員には家庭があり、家族みんなで応援している人もいます。
今年はメディア関係者の方にたくさんの情報を発信してもらいました。
それぞれ新聞記者や番組ディレクターは、ファジアーノの取材を単なる「仕事」としてこなすことを通り過ぎて、どうしたらこの感動と夢を持つことの素晴らしさを伝えられるだろうかと、真剣に考えてこられた方もいます。
そうやって誠実に作られた記事やテレビ番組を、多くの方が見ているのも事実です。
苦しいNPO法人時代を支えてきたフロントスタッフもいました。
彼らがいなければ今の株式会社はありえません。
チームには、現在いる選手だけでなく、過去にも多くの選手が所属してきました。
ファジアーノはこれまでに2回、地域決勝で敗退しています。
一番悔しいのは選手であるはずです。彼らは本当にJFLに行きたかったのです。
2回の地域決勝で、私は選手たちの泣き顔を見てきました。
自分はもうファジアーノの選手ではないから関係ないと思っている選手はいないと思います。
彼らの夢はまだファジアーノにあるのです。
過去に在籍したある選手に「このダンマクを地域決勝に持っていくからメッセージを寄せ書きしてくれ」と頼んだら、彼は「俺たちの夢」と書きました。
他にも私たちの知らないところで、私たちのクラブを支えている人が大勢います。
このクラブは当たり前のように存在しているようで、実はたくさんの、本当にたくさんの人たちの思いで成り立ってきたのです。
このクラブは、そういう彼らのせつないほど熱い夢で動いているのです。
熱い夢を持つけれども、地域決勝に行きたくても、経済的や時間的、家庭や仕事の事情などにより行けない人がたくさんいるということも認識してください。
彼らの中には、自宅や職場のPCで速報掲示板をリロードし続ける人や、雉マガからの速報を待ち受けている人がいます。
地域決勝の現場で声出しをするのなら、この期におよんで「声を出すのが恥ずかしい」などという、あなたの個人的な事情は不要なものです。
ファジアーノの運命が決まる現場にあなたが行くということは、たくさんの人の夢を同伴させて行くということです。
ここまで来たら全力で応援しないと、あなたは絶対に後悔します。
あのときもっと大きな声で応援してたら結果は違ってたかもしれないなどと、後から思ってもどうなるものではないからです。
今までは「ファジアーノの応援って楽しいな」と思ってた人もいるかもしれませんが、地域決勝というのはそういうのとは違う場所なのです。
これまでの試合とは違った、緊迫感やあるいは殺気立ったムードにびっくりされるかもしれません。
しかし、たくさんの人の想いを考えれば、3年目の今年は「負けたけど、また1年頑張ればいいや」なんて安易に言えないのです。
どうか、地域決勝の地で声出しをする人は、その場に行けない人の分まで声を出して応援してください。

2007年11月2日 19:56 » ブログ