宿敵・佐川に勝利!


村上春樹は著書「雨天炎天」の中で、旅についてこのように書きました。

旅においては物事は予定どおりに順調には運ばない。何故なら我々は異郷にいるからである。我々のためではない場所─それが異郷である。だからそこにあっては、物事は我々の思惑どおりには展開しない。逆に言えば、物事がとんとんとんと上手く運ばないのが旅である。上手く運ばないからこそ、我々はいろんな面白いもの・不思議なもの・唖然とするようなものに巡りあえるのである。そして、だからこそ我々は旅をするのである。

今回のアウェイも順調通りに物事は運びませんでした。。
我々のためではない場所─それがアウェイです。
高速道路を快走中、原因不明の渋滞に巻き込まれました。
向こうに見えるトンネルの方まで車列はピクリとも動かず、車から降りてタバコをふかす人や、様子を見に行ったりしている人がいます。
車内から携帯電話などを使って情報収集が行われます。ファジサポはハイテク集団の集まりみたいです。
どうやら、この先で事故があったらしい。トラックが横転しているという。
なるほど、事情はわかった。さて、我々の心配事は「キックオフに間に合うか」という点です。
連絡によると、選手たちのバスは現地についているらしい。それならば最悪の事態はまぬがれたことで、まずは一安心。
キックオフ時刻から何分かを遅刻すると、放棄試合となって3-0で敗戦扱いになっていた可能性もあるので。
さて、ひとしきり高速道路上にたたずんだ後、車がようやく動きだしました。
現地についたのは、キックオフの30分前。
急いでダンマクやら大旗やらをセッティングします。
今日の相手は、今まで何度も名勝負を繰り広げてきた、好敵手・佐川急便中国。
ファジアーノがJFLへの扉を開けるためには、ここできっちり勝利し、なんとしても順位を頭ひとつ抜けたいところです。
しかし、試合の方は少々シブい展開。
前半の早い段階で玉林がゴールを決めたものの、その後、佐川の好守に阻まれてなかなか良い形を作れない。
昨年、美作で行われた佐川との試合では、前半2-0でリードしていたにもかかわらず、後半同点にまで追いつめられ、激闘の末3-2でなんとか勝ちを得たという記憶があるため、もっともっと追加点が欲しい。
しかし佐川の方は、ボールを奪うと巧みなボールさばきでファジアーノのゴール前まで詰め寄り、容赦なくシュートを狙ってきます。
幾度となく危ういシーンはありましたが、ファジアーノのディフェンス陣の身体を張ったプレーで凌ぎきります。
後半も一進一退の攻防が続き、結局スコアは1-0で終了。
ファジアーノが勝利を得ました。
試合終了後、別会場で行われているレノファ山口FC対FCセントラル中国の結果が入ってきて、レノファが強敵セントラルを破ったという情報にサポーターが沸き立ちました。
これで、ファジアーノが上位チームの中で一歩抜け出した格好になりました。
次は、5月20日の桃太郎スタジアム、FCセントラル中国戦です。
ここで確実に勝利を収めれば、JFL昇格の通過地点である地域決勝大会進出が少し見えてきます。
当日は、なでしこリーグ「岡山湯郷Belle対日テレ・ベレーザ」も同時開催されます。
FCセントラル中国も強敵ですが、日テレ・ベレーザも日本代表選手、澤穂希や荒川恵理子を擁する強豪チームです。
桃スタを揺らすような歓声で、岡山のクラブを応援しましょう!
アウェイの旅の様子はこちらの写真集で。

2007年5月13日 21:32 » ニュース